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雪舟になる

水で描く

教室の本棚には、様々な画集や図録を並べているのですが、そのなかに室町時代に活躍した水墨画家、雪舟(せっしゅう:1420-1506)のものがあります。雪舟には、次のようなおもしろい逸話があるのですが、みなさんご存知でしょうか。

「禅僧になるため、幼くして禅宗のお寺に入った少年(のちの雪舟)は、修行はそっちのけで、好きな絵ばかり描いて日々を過ごしていました。それに腹を立てた住職は、ある朝、少年を本堂の柱しばりつけてしまうのですが、少しかわいそうに思い、夕方になって、本堂をのぞいてみることにしました。すると、少年の足もとで一匹の大きなねずみが動き回っているではありませんか。少年が噛(か)まれては大変と思い、住職はそれを追い払おうとしましたが、不思議なことに鼠はいっこうに動く気配(けはい)がありません。それもそのはず、そのねずみは生きたねずみではなく、少年がこぼした涙を足の親指につけ、床に描いたものだったのです。はじめ動いたようにみえたのは、ねずみの姿がまるで本物のように生き生きととらえられていたからにほかなりません。それ以後、住職は少年が絵を描くのをいましめることはけっしてありませんでした。」(京都国立博物館ホームページより)

教室でこのお話をしたところ、水で絵を描いてみよう!と生徒さんが水で絵を描き始めました。生きたようなねずみを描くことは難しかったのですが、ここ楠々社では、絵ばかり描いていても柱に縛り付けられることはありません。自由にのびのびと絵を楽しみに来てくださいね。

立夏

本日木曜日も午前、午後と、小学生から大人の方までしっかりと絵を描いていっていただきました。ある大人の生徒さんに「季節の変わり目で、少し体調を崩していましたが、無心に絵に向かっていると心が落ち着きます。」と言っていただきました。
たしかにゴールデンウィークを境に、気候のうえでも、気持ちのうえでも、ひとつの節目を迎えたように思います。ふと暦を調べてみると、なるほど、5月6日が「立夏」だったのですね。立夏は春分と夏至のちょうど中間で、暦の上での夏の始まり。この日から立秋(8月8日)の前日までが夏季になるそうです。「カエルが鳴きはじめるのもこの頃」と描かれていましたが、少し前から楠々社周辺でも夜になるとカエルが合唱をしています。

端午の節句

一刀彫り兜夏のように、さんさんと太陽の降り注ぐ連休となりました。
「こどもの日/端午の節句」として祝われる5月5日。「端午の節句(たんごのせっく)」について調べてみました。
季節の節目となる五節句のひとつ。端午の端は「はじめ」という意味で、「端午」は5月最初の午(うま)の日のことでした。それが、午(ご)という文字の音が五に通じることなどから、奈良時代以降、5月5日が端午の節句として定着していきました。
鎧(よろい)や兜(かぶと)を飾るのは江戸の武家社会から、鯉のぼりは町人文化から生まれた節句飾りだそうです。また、急に暑くなるこの季節は、昔から病気にかかったり、亡くなる人が多かったため、菖蒲湯に入ったり、ちまきや柏餅を食べたり、いずれも子孫繁栄、無病息災の願いを込めて始まり、今に伝わっているようです。
端午の節句は、子どもたちの健やかな成長を願い、お祝いする行事であると同時に、暑い夏の到来に向けて、心と体の調子を整える意味合いもあったのですね。

楠々社では、感性を育むため、季節を感じることを大切にしたいとの考えから、こうした季節の話題も発信していきます。季節に親しみながら、楽しく絵を描いていきましょう。

アーティスト

絵の具を使って何を描きたいかと尋ねると、「空を描きたい」と描き始める女の子。その後、刻々と空の色が変わる夕暮れ時、何を感じたでしょうか。
何か描きたいもの、表現したいものがあるという人は、アーティストだと思います。描きたいものを100%表現することは終わりなき挑戦となるのですが、同時にそれは一生をかけて取り組める楽しいライフワークになります。みなさんも何か表現したいものを思い浮かべて、絵に向かってみてはいかがでしょうか。

 

 

柱サボテン

柱サボテン先日、いつも大変お世話になっているご夫妻から、トゲのない立派なサボテンをいただきました。調べてみると、「柱サボテン」というそうです。3本が寄り添うように植えられていて、微笑ましいたたずまいです。キャスター付きの台に乗せてもらっていて移動がスイスイできるのもありがたいです。この不思議な形、みなさん描きたくなりませんか?

カゲロウ

かげろう教室の硝子戸で、クサカゲロウが羽根を休めていました。手持ちにあったクサカゲロウピンバッチと記念撮影。そうして気に留めて見ていたら、ずいぶん長い時間ここにいて、夜に見たら、もういませんでした。どこから来て、どこへ行くのか。教室から見える電車に乗る人も同じく、通り過ぎていくものに思いを馳せる春の日でした。

学校のアイドル

しっかり見て描く対象をしっかり見て描く、という練習をしてもらっています。絵を描き始めると描いている紙ばかり見てしまいがちですが、モチーフをしっかり見ることが大切です。モチーフをしっかり見て線を引いていくと、線にリアルさが出てくるので、それを実感してもらえるよう、練習もひと工夫です。

デッサンにはねりけしを使うことがあるのですが、ある生徒さんにも使い方を説明をすると、ねりけしを使うことをとても喜んでくれました。話によると、小学校ではねりけしを学校に持ってくるのも、消しカスで作るのも禁止されている、とのこと。「だからねりけしは学校のアイドルなんやで!」と教えてくれました。ねりけしがアイドル!?学校でアイドルを務めるねりけしを想像し、目が覚めるような思いでした。これからは「アイドル」を傍らに、デッサンの腕を磨いてもらいたいと思います。

ぜんまいのおもちゃ

ぜんまいのおもちゃ教室に置いているぜんまい仕掛けのおもちゃがなかなか人気です。赤い大きなぜんまいを巻くと、斜めについているタイヤがクルクルと回って、右へ左へ傾きながらクネクネと走ります。そしておもしろいのは、赤いぜんまいの横の丸いパーツもクルクル回りながら、摩擦でパチパチと火花を散らすのです。歯車など仕組みが丸見えなのも、特に男の子たちの心をつかむようです。
一見、絵と関係の無いようなこのおもちゃ、十数年前にMoMA(ニューヨーク近代美術館)で買ってきたものなんです。絵を描く前や休憩中にぜんまいをキリキリと巻いていると、知らないうちに絵を描く動力もキリキリと巻かれているかもしれませんね。

 

素描を楽しむ春の教室

教室の様子
大人の方も、小中学生の方も、みなさん長時間一生懸命描いていってくださいます。途中、休憩をはさむので、その時間は本棚の画集や本を手に取ったり、雑談をしたり、絵しりとりをしたり。そのなかでみなさんの好きなことや日常のことなどを少しずつ聞かせていただいて、それもまた有意義な時間となっています。

ここら辺ではすでに葉桜になってしまいましたが、『花の季節ノート』(文・倉嶋厚、写真・平野隆久)という本の中で、桜に関するこんなコラムを読みました。「人々が満開と感じる時、実際には六分咲きくらいのことが多く、その後は、残りのつぼみが開くとともに、すでに開いた花は、はらはらと落ち始めます。だから、『散る桜、残るも桜散る桜(良寛)』です。」と書かれていました。桜の花が散り始めるところを見て、早く散る花もあるんだな、と思っていましたが、実際は早く咲いた桜だったんだ、と。言われてみれば当然のように思えることを、今年になって知りました。何度も経験していることでも、ふと立ち止まって考えてみることの大切さ、それができる心のゆとりって大切ですね。

サンセベリア

おえかき部という活動の拠点として、月に一度お世話になっている桑名の麦カフェさんからお祝いの観葉植物をいただきました。サンセベリアという、気温が高くて日光を好む、葉っぱが分厚い植物です。一緒に届けていただいた説明書きによると、暑さと乾燥に強く、冬は一切水を断って休眠状態にし、耐寒性を高めるのがいいそうです。根の生育が旺盛で、鉢の中がすぐに根でいっぱいになって鉢が割れるほどになる、とも書かれていて、ちょっとどきどきします。
ありがたいことに教室の緑が徐々に増えて、ほっとする空間になってきました。みなさんが絵を描きながら時折眺めて、目や心を休めてもらえるのではないでしょうか。